最初に就職する病院をどこにするか迷っている看護学生さんは多いと言われています。また、悩んでいる学生さんも多いのではないでしょうか?
その中でよく聞かれることですが、それぞれ違った特色、特徴があり一長一短では決められないのが本音です。「自分の目指す看護師像」の明確化が求められます。そこから進むべき道を選びましょう!
ベテランナースから聞いたアドバイスからそれぞれの特徴を紹介したいと思います!
そもそも皆さんはなぜ看護師を目指そうと思いましたか?小さい時に病院にいってナースがかっこよく見えたから?白いナース服に憧れたから?親や親族が看護師でとてもやりがいを感じたから?いろいろ理由はあるとは思いますが、看護師とはとてもやりがいと魅力がある職業です。
先輩の看護師さん曰く、
人の命を預かり、生死が常にそばにある現場で昼夜を問わず働く看護師の仕事は、肉体的にも精神的にも非常にハード。
大変なこと、辛いこと、悲しいことにも多く直面します。
しかしだからこそ、介助・ケアをした患者さんがだんだん元気になっていく様子を目の当たりにしたとき、退院する患者さんから「ありがとう」と感謝の言葉をもらったときは、日々の苦労を忘れるほどのよろこびや達成感を得ることができます。「人の役に立ちたい」「困っている人を助けたい」そんな思いが強い人にとっては、やりがいを感じる機会が多い仕事と言えるでしょう。就職してもそのやりがいを継続できる職場でもあるのです。
さらに就職に向けて仕事内容を深堀していくと、患者さんや家族を精神的に支えられることが大きいと言えます。
病気や怪我の診療・治療を行うのは医師ですが、「元気になりたい」「辛いけれど頑張ろう」という前向きな気持ちで患者さんが治療に臨めるかどうかは、接する時間が長い看護師に影響を受けることが大きいです。患者さんの精神状態を理解したうえで、患者さんの価値観を尊重しながらどんなケアが必要か本人やご家族と一緒に考えていくことも、看護師の大切な役割です。
患者さんの笑顔や感謝の言葉をいただけることも多いです。患者さんが回復して退院する場面での「ありがとう」はもちろん、ちょっとした気遣いや処置に対して「小さなことまで気に留めてくれてありがとう」「楽になったよ、ありがとう」「あなたが担当になってくれてよかった」など、患者さんから笑顔で感謝の言葉をかけていただける瞬間が一番うれしいと思える場面も多々あります。
患者さんの変化に一番に気づける点も魅力でしょう。入院患者さんの身の回りのお世話も担当する看護師は、「誰よりも患者さんに近い存在」。毎日顔を合わせ、会話をしたり身体に触れたりする関係性だからこそ、患者さんの変化に早く気づくことができます。そのため、「早い段階で患者さんの異変に気づき、医師につなぐことで事なきを得たとき、看護師として誇らしく思います」という先輩看護師さんもいます。
多くのスタッフと連携し、チームプレーで患者を救うこともできます。
病院では、複数のメディカルスタッフ(医療専門職)が連携して、患者さんへの治療やケアをする「チーム医療」が行われています。医師・看護師・管理栄養士・救急救命士・言語聴覚士・作業療法士・薬剤師・理学療法士・臨床検査技師など多くのスタッフがそれぞれの専門性を発揮しながら、「患者の命を救う」「患者を治癒に導く」という共通のゴールに向かい、日々奮闘しています。
その一員としてチーム医療に携わるなかで「自分は看護師として何ができるのか」を追求することになりますから、知識やスキルも日々向上していきますし、さまざまな職種のスタッフとかかわることで見識が広がり、人間的にも成長することができます。また、1人では達成できないことも、力を合わせれば達成できる。そんな充実感を日々得られるのも、看護師という仕事の大きなやりがいになっています。
患者さんのできることが増えていくよろこびも感じられます。病気の進行により、歩行が困難になったり、食事が飲み込みにくくなったりと、これまで当たり前にできていたことができなくなり落ち込む患者さんも。しかしそんななかでも、治療やリハビリによってできることが増える場合もあり、それをサポートする看護師にとって「患者さんのできることが増えた」というのは何よりうれしい瞬間です。「生きる希望」を見いだした患者さんのよろこびは、看護師にとってのよろこびそのもの。このように患者さんと二人三脚で歩み、苦しさもよろこびも共に分かち合うことこそが、「看護師の存在意義」であるのかもしれません。
人生に寄り添ってくれる仕事です。看護師になるには資格が必要、かつ、慢性的な看護師不足により需要も高いので、「キャリアを積みながら、1つの職種で長く働きたい」という人にぴったりの仕事です。勤務スタイルにはバリエーションがあるため、結婚や出産などでライフスタイルが変化しても、それに合わせた働き方ができるのも魅力です。また、看護師として働くなかで得た知識やスキルは自分自身や家族の健康管理に役立てることもできるなど、仕事だけでなく私生活に生かせるという点でも「看護師になってよかった」と感じる人が多いようです。
以上のように、就職する上で仕事をこなす上で最も重要な部分が看護師さんのお仕事なのです。
これを理解した上で、大学病院と個人病院に就職するのをどう選択すべきか、ご紹介したいと思います。
大学病院の場合
大学病院の場合は、細かい業務も完全分業化されているので、基本的な業務は「患者さんにとって優先度の高いこと」が重要になります。 そういう意味では働きやすい職場と言えます。しかし、最近よく言われる「大学病院のナースは楽」は大きな間違いです。 どこも医療現場は厳しいということを肝に銘じてください。それは、「人の命を預かっている」場所だからです。
また、難しい病気や状態の患者さんの看護をする機会が多いという点があります。各種研修や外部での勉強会、学会の準備などを行っています。職場が忙しく、面倒くさいと思う場面もありますが、最新の勉強をさせてくれると思い自分自身を成長させてくれると前向きに捉えることが必要です。
民間に比べ医師の数が多いので何かあった時に迅速に報告しやすいというメリットもあります。 でも手術も多いので医師がつかまらないこともよくあるので、その時は迷わず先輩看護師に相談してください。
「報告・連絡・相談」。一番大事なポイントです。
ここも抑えておいてください。
大学病院は基本的に教育機関ということです。 新卒の看護師さんが圧倒的に多いのでベテラン看護師が教育、指導係りを担うことが多いです。 先輩の意見をよく聞き、即戦力になりましょう。
一般的に大学病院は福利厚生面が充実しているので安定を考えると良い職場と言えます。 ただし、最近は民間病院でも福利厚生を手厚くするところが増えているので一概に言えない部分もありますが、「安定志向」の人には判断材料の1つになるのではないでしょうか。
そのほか、必ず毎年全国レベルの学会に参加することもあり、勉強熱心なスタッフが多いとも言えます。大学病院では根拠を考え、病態と合わせて患者さんを見る能力が身につく場面もあります。
「がん看護のスペシャリストを目指したい」「糖尿病指導療法士の資格を取りたい」など向上心を持って目標がハッキリしていて、専門性を深めたり、とにかくたくさんの症例を経験したければ大学病院が適切かもしれません。 多くの症例が看られるうえ、専門分野に関する研修会や勉強会が豊富だからです。
民間病院の場合
次に民間病院の場合を見ていきましょう。
実践力・技術力は付き、 日々自ら知識を付けたり勉強しながら看護師スキルを向上させることができます。
大学病院では最新医療が学べるけれど、最新医療にはこだわりがないのであれば、じっくり患者さんと向き合い、「顔なじみ」の関係を築けることもあります。地元が田舎なので、どちらかというと最新のエビデンス看護を地方でも提供できる看護師になりたいと思っている人には最適ですね。
民間病院からジェネラリストを目指すのであれば、大学病院よりも中小の民間病院がオススメです。 病棟の科や業務が細分化されていないので、色々な疾患を持つ患者さんを看護することで仕事の流れを全部経験できます。結果として、身に付く疾患の知識や看護技術も幅広くなりますよ。
また、認定看護師の資格取得について、大きな大学病院とかだと志望者が多くて順番待ちが多かったりする場合があるのですが、民間病院はそれほど施設的にそれほど大がかりではないので、学校に行かせてもらえたりします。認定取りたいなら色々考えることが多くなり、メリットも多いです。
看護師の就職先では大学病院などの大きな施設が良い環境と思われがちですが、必ずしもそうではないというのが本音です。中小の民間病院などでは幅広い業務を任されるのでより沢山の臨床経験が積めるというメリットがあります。
世の中の仕事を見てください。大企業だから全てが正しいと思いますか?中小企業、町工場でも世界に名の通った企業もありますし、そこで働く優秀なエンジニアや作業員さんたちがたくさんいるのです。
さらに、民間病院は地域医療に貢献できます。
患者さんとの関わりがとても多くアットホームな雰囲気の中で仕事に打ち込めるのも魅力です。
小さな民間病院だと院長、理事長、看護師長などの方針によってマニュアルや環境が大きく変わることもあり苦労することもあります。ただし、基本的なマニュアルをこなすことの多い大学病院より様々な経験を積んで適応力が身につけることが、民間病院では可能になるのです。
その中で、地域密着型の民間の病院では、患者様との距離が近く、深い関わり合いを持つようになるので、お互いに名前を覚えたり、大きな病院にはない人間関係が築けたりします。単純な医療行為だけではなく、 精神的なケアや深い結びつきを大事にする看護を目指す人には向いている職場環境だと思います。
少し考えるべきことは、ある程度安定した給与の大学病院に比べ、民間では病院によって給与の差が大きいように思います。 特に企業病院だと病院経営に応じたボーナスが出るので、実績が良い年はすごくたくさんのボーナスがもらえたりするので、インセンティブの関係は仕事をする上で重要になるので、やりがいプラスお金を両方考えることは重要です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
看護師と言っても職場でぜんぜん環境が違うことが理解できたと思います。
私はスペシャリストになりたい!地域密着のナースになりたい!患者さんに寄り添った看護師を目指したい!全て素晴らしい考えです。
皆さんの「目指す看護」に向け、大学病院、民間病院をじっくり選択してみてください。最後にアドバイスとしては、現場で本当に働いている人の「生の声」を聞くことが最短距離になります。行動して自分の未来を描く。どうか皆さんが求めるナースとして就職できる一助になれば幸いです。
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