転職を考えている看護師さんの中には、今の住環境を変えずに転職を考えている方、反対に、今いる場所から環境を変えようとしている方や、地方から都心部への転職を考えている方、また、新卒で就職のタイミングに引っ越しを考えている方も多いかと思います。そこで、今回は転職とともに引っ越しを考えている場合に気を付けるべきポイントをアドバイスいたします。
①新しい職場でやりたいことをはっきりさせる
まず、転職の際には、「次の職場で自分が何を学んでいきたいか」が重要なポイントとなります。看護師さんの中には、今の仕事のスキルアップを試みたい方、もしくは、全く新しい専門分野の知識を身に着けていきたい方もいらっしゃるかもしれませんし、単純に、新しい環境で新たな気持ちで仕事をスタートさせたいという方もいらっしゃるかもしれません。ご自身のその希望を叶えることができる職場かどうかを、就職の前にしっかりと下調べしてください。
情報収集の手段としては、例えばエージェントを利用することで、自分の知らない地域の病院事情を知ることができます。エージェントで働いているスタッフは、自分が担当している病院を実際に目にしていることがほとんどです。エージェントを介することで、ホームページなどから得る情報だけでなく、職場の雰囲気や忙しさといった情報も知ることができます。面接や見学の設定も行ってくれるため、仕事をしながら転職活動をするには、心強いサポーターになるかと思います。エージェントによってはキャンペーンで転職の際の引っ越しサポートなどを行っているところもあるので利用できるものがあれば利用しましょう。
また、卒業した大学・専門学校の友人や先輩などからの情報もとてもためになります。それぞれが就職の際に集めた情報をシェアすることができますし、もし、その友人や先輩が働いている職場に転職を希望するのであれば、実際に働いている看護師さんから生の情報を聞くことができます。そのため、職場環境や人間関係など忖度のない実態を知ることができるかと思います。エージェントを介さない分、職場によっては、紹介してくれた友人や先輩に臨時報酬が入る、といったこともあるかもしれません。
もし、あなたが今の専門でさらなるスキルアップを目指すのであれば、今働いている病棟の医師から意見を聞くのもよいかもしれません。これは、かかわっている医師との普段の人間関係にもよりますが、その分野の専門の医師であれば、ほかの病院でどういった医師がいる、また、どういう治療を率先して行っているなど専門的な情報を知っていますので、あなたの熱意に応じていろいろと教えてくれるかもしれません。
②新しい環境に慣れるための住環境をきちんと選ぶ
職場を変える際は、住環境もとても重要となります。特に、遠方へ転職の場合は引っ越しが必要となりますので、病院を選ぶ際には、どこに住むかという問題が出てきます。病院によっては看護師寮や専用のアパート・マンションを備えている場所もあるため、初めての町で生活する看護師さんにとっては、病院選びの重要なポイントとなります。看護師寮がない場合でも住居手当などがしっかりしている病院もありますので、事前に確認をしておきましょう。
今までの生活スタイルから変わりすぎてしまうのも考えものです。例えば、「今まで徒歩圏内で通勤できていたものを、転職後には通勤に電車で1時間かかってしまう」、といった場合は、慣れない電車通勤で日々ストレスが溜まってしまうかもしれません。毎日通う場所なので、職場から近い場所に住むのが理想的です。しかし、看護師さんによっては、近くに友人がいる環境、家族がいる環境であることがストレス軽減につながるという方もいるかもしれません。それぞれの環境に合ったアクセスを考慮して部屋を借りるのがよいでしょう。
気を付けなければいけないのが、予測のお給料をあてにして高い家賃の部屋を借りてしまわないようにすると言うことです。最初に提示されるお給料は、大抵、夜勤や残業をするようになり始めてからのお給料であることが多いです。夜勤ができるようになるには、まず新しい職場に慣れ、一人でも仕事が任せられると先輩たちが安心できる段階まで自分が成長しなければなりません。
そのため、夜勤ができない状態が長く続くと予定していたお給料より低いことがあります。地方から引っ越してくる際は、お給料と住みたい街の家賃相場を事前によく調べ、「家賃が高くて生活が成り立たない!」なんてことのないように気を付けてください。
③支えとなる同期がいる環境を作る
新しい仕事を長く続けるためには、同期がいるかいないかも重要なポイントとなります。中途採用の場合は、同じタイミングで就職する看護師さんがいないことも多く、同期ができにくいことがあります。多くの病院では、4月から新卒・経験者含めて合同で就職をすることがほとんどですので、可能であれば新年度のタイミングで新しい仕事を始めることをお勧めします。
転職をしようと考える看護師さんの年代は割と近いことが多いので、実際に働く病棟は違っていても入職者説明会などで顔見知りになることができます。病院によっては、看護師さんの早期離職を防ぐために横のつながりを持てるように配慮していることがあり、新入職者向けのオリエンテーションや新人教育などをしっかりと設けてくれることがあります。そのような機会を通じて、同期と仲良くなることができるかと思います。
同期がいることで、新しい環境でつらい思いをしても支えあうことができますし、自分よりも経験の長い先輩看護師が同期になった場合は、仕事の際によいアドバイスをくれるかもしれません。転職の際には、このように就職するタイミングも考慮してみてください。
以上のように、転職とともに引っ越しを考えているときに気を付けるべきポイントは、
①新しい職場でやりたいことをはっきりさせる
②新しい環境に慣れるための住環境をきちんと選ぶ
③支えとなる同期がいる環境を作る
の3つになります。
まとめ
いかがでしたか?転職のタイミングによっては、これらすべてを叶えるのは難しいこともあるかもしれません。しかし、ご自身のやりたい事がはっきりとしていればカバーすることはできると思います。転職が皆さんにとって良い変化になるよう、すこしでも参考になることがあればうれしいです。
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