介護の求人のほとんどが“利用者様の日常のお手伝い“と仕事内容に書かれています。
ですが実際に介護施設で勤務をしてみると利用者様の日常のお手伝いが6割、雑務等が4割といった割合です。
今回はショートステイサービス・特別養護老人ホーム(ユニット型)・リハビリデイサービスの3つで勤務した経験がある私が、求人選びに騙されない介護施設での仕事内容を詳しくご紹介します。
ショートステイサービスでの仕事内容とその他
私が勤務していた介護施設にはデイサービス・ケアハウス・ショートステイサービス・特別養護老人ホームが入っている大きな介護施設でした。
特別養護老人ホームが入っている介護施設ということもあってショートステイを利用している利用者さんの約3割程が特別養護老人ホームの空きを待っている方でした。
ちなみに、ショートステイサービスは主にご家族様やご自身(利用される方)の事情によって数日~数ヶ月の利用ができる施設で、基本的に長居はできません。
そのためショートステイサービスを利用している利用者様のことは“入居者“とは言いません。
私が実際に勤務していたショートステイサービスの定員は40名で、20名・20名のユニット型でした。
定員数は40名ではありますが、ショートステイサービスは入居ではなく“お預かり“なので少ない時は利用者様が35名程の時もあり、日によって利用者様の数が異なります。
ショートステイサービスに所属しているスタッフは早番(7時~16時)・遅番(10時30分~19時30分)・夜勤17時~翌10時の3交代制が基本なのですが、人数不足の日やイベントなどで忙しくなる時は日勤(9時~18時の)もあります。
では、実際にショートステイサービスで勤務して毎日行った仕事内容をご紹介します。
早番
- おむつ交換
- 起床介助
- トイレ誘導
- ポータブルトイレの排泄物の片づけ
- 私服への着替えのお手伝い
- 洗顔.洗髪介助
- 入れ歯の配布
- 朝食配膳
- 食事介助
- 下膳
- 口腔ケア
- フロア掃除
- リネン交換(1人3~5人分)
- 入浴介助
- レクリエーション
- 利用者様1人1人の1日の記録
- 自宅に帰宅される方の連絡帳への書き込み
- 自宅に帰宅される方の荷物.身だしなみチェック
遅番
- 宿泊される方の荷物チェック
- トイレ誘導
- 昼食前の口腔体操
- 昼食配膳
- 食事介助
- 口腔ケア
- 入浴介助
- 利用者1人1人の1日の記録
- 夕食前の口腔体操
- 夕食配膳
- 下膳
- 入れ歯のお預かり(入れ歯の掃除と洗浄液を入れる)
- 就寝準備(パジャマへの着替えのお手伝い)
- 臥床介助
夜勤
- 夜勤者への申し送りに参加
- 翌日の入浴準備(衣類とオムツを1人1ネットにまとめる。翌日の入浴者は大体10人程)
- 夕食配膳
- 食事介助
- 口腔ケア
- 就寝準備(パジャマへの着替えのお手伝い)
- 臥床介助
- 巡回(1時間毎)
- 利用者様1人1人の記録(巡回毎に)
- トイレ誘導
- おむつ交換
- 水分補給の巡回と介助
- 起床介助
- 早番者への申し送り
日勤
早番者と遅番者の終わっていないことを補助する感じで、やることは早番と遅番の時となにも変わりません。
早番・遅番・日勤は計1時間の休憩で、夜勤は計2時間半程の休憩になります。
ショートステイサービスでは“荷物チェック“がすごく大変な仕事になります。
宿泊をしに来てすぐに荷物チェックをするため人によっては認知症で不穏な方も居ます。
また、中々荷物チェックをさせてくれない方も居るのでスムーズに荷物チェックができることは基本的にありません。
そしてお客様をお預かりするにあたり荷物チェックは消耗品以外全てチェックしなくてはなりません。
ご自宅に帰宅する日に来た時の荷物チェック表を見ながらないものがないか確認しながら行うのですが、衣類や小物がない場合は出勤している職員全員で探し回り、見つからない場合はショートステイサービスの主任または副主任がご家族に謝罪の連絡を入れます。
その位荷物チェックがすごく大事な作業になります。
細かい作業が苦手な方はショートステイサービスにはあまり合っていないかもしれません。
細かい作業が好きで、自分のペースを乱されても特に気にならない人はショートステイサービスに非常に合っています。
ちなみにショートステイサービスでの求人には“荷物チェック“とは書かれていないことがほとんどですが必ずある仕事です。
特別養護老人ホーム(ユニット型)での仕事内容とその他
私が実際に勤務していた特別養護老人ホーム(ユニット型)は、1ユニット10人で4つのユニットがあります。
1ユニットに勤務する職員は早番1人、遅番1人なので基本的に1ユニットに2人の職員が揃っているということはありません。
ちなみに勤務体制は早番(7時~16時)・遅番(10時~19時)・夜勤(17時~翌9時)の3交代制となっていて、夜勤の時は2ユニットを1人でこなして行きます。
実際に特別養護老人ホームで毎日行っていた主な仕事内容をご紹介します。
早番
- 夜勤者からの申し送りに参加
- トイレ誘導
- おむつ交換
- 起床介助
- 私服への着替えのお手伝い
- 洗顔.洗髪
- 入れ歯の配布
- 朝食配膳
- 食事介助
- 下膳
- 口腔ケア
- フロア掃除
- リネン交換(1日3~4人分)
- 各居室のトイレ掃除
- 入浴準備(衣類とオムツの入浴セットを作る。1日4~5人分程)
- お茶出しの準備
- 入浴介助
- 昼食配膳
- レクリエーション
- 利用者様1人1人の1日の記録
- おやつ提供
遅番
- 早番からの申し送りに参加
- 水分介助
- お茶出しの後片付け
- トイレ誘導
- おむつ交換
- 口腔体操
- 昼食配膳
- 食事介助
- 昼食前の口腔体操
- 入浴介助
- レクリエーション
- おやつ提供
- 夕食前の口腔体操
- 夕食配膳
- 夕食下膳
- 入れ歯のお預かり(洗浄.洗浄液を入れる)
- 就寝準備(パジャマへの着替えのお手伝い)
- 臥床介助
- 利用者様1人1人の1日の記録
- ポータブルトイレを使う利用者様の居室にポータブルトイレの設置
- 各トイレのおむつ補充
夜勤
- 夜勤者の申し送りに参加
- 夕食の配膳
- 食事介助
- 下膳
- 口腔ケア
- 入れ歯のお預かり(洗浄.洗浄液を入れる)
- 就寝準備(パジャマに着替えるお手伝い)
- 臥床介助
- 巡回(1時間毎)
- 利用者様1人1人の巡回毎の記録
- 水分補給の介助
- 私服への着替えのお手伝い
- 早番者への申し送り容姿作成
早番と遅番は計1時間の休憩があり、夜勤は3時間の休憩があります。
ユニット型は1ユニット数名なので従来型の特別養護老人ホームに比べて比較的毎日がまったりとゆったりと流れています。
そのため「バリバリ仕事をしたい!」という方にとってはちょっと退屈してしまう場所かもしれません。
「利用者さんと深く関わりたい」という方にとってはコミュニケーションをとれる時間が沢山あるので特別養護老人ホームのユニット型は非常に合っています。
ちなみに、特別養護老人ホームの求人には“ユニット型“や“従来型“などと書かれていないこともたまにあるので、ユニット型で働きたい場合は気になる施設のホームページを確認してみるとどちらの募集なのかが分かります。
リハビリデイサービスでの仕事内容とその他
私が実際に勤務していたリハビリデイサービスは内科と介護施設が同じ敷地内にある施設で、リハビリも行っています。
この施設の勤務体制は日勤のみで、どの介護スタッフも8時~17時の勤務です。
実際にリハビリデイサービスで毎日行っていた主な仕事をご紹介します。
- 送迎(行きと帰り。キャラバンやハイエースといった大きな車で片道20分~30分を1人で行く)
- 血圧.体温測定の誘導
- 入浴介助
- リハビリ介助
- 昼食前の口腔体操
- 昼食配膳
- 食事介助
- 昼食の下膳
- 口腔ケア
- トイレ誘導
- おむつ交換
- レクリエーション
- 洗濯物干し
- 洗濯物たたみ
リハビリデイサービスでの勤務は8時~17時となっていますが、実際に利用者様と関わるのは8時半~16時頃までです。
それ以外の時間は送迎になるためがっつりと利用者様に関わるのは施設内に居る時の4時間程になります。
ちなみに休憩は45分です。
また、毎日ではないですが月に1~2回程カンファレンスがあり、自分の担当している利用者様(1人5~20名を担当)の日頃の状況や出来事、今後についての資料作りをしなくてはなりません。
特別養護老人ホームやショートステイサービスに比べてリハビリデイサービスでの仕事内容は比較的簡単で、無資格の方でも働きやすい環境でもあります。
ですがカンファレンスがある時期は時間にゆとりができないため残業になることもあります。そのため文章作りが苦手な方はリハビリデイサービスでの仕事は会っていないかもしれません。
文章作りが得意または好きでスラスラと文章を書ける方はリハビリデイサービスでの仕事は非常に合っているかと思います。
ちなみに、リハビリデイサービスの求人に“資格必須“と書いている施設もありますが、無資格でも働けるリハビリデイサービスは沢山あるのでいくつかの施設の求人を見てみると良いです。。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
介護施設での実際の仕事は利用者様の日常のお手伝いの他に雑務が沢山あります。
また、大体どの介護施設も毎月勉強会や課ごとの会議を開いています。
これらは出勤・休日に関係なく全員参加です。
介護施設選びで迷われている方は是非、介護施設選びの際にご参考にしてみてください。
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