看護師の急変患者へのアセスメント、しっかり病気を考えることも大事!

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#697 2019/05/15UP
看護師の急変患者へのアセスメント、しっかり病気を考えることも大事!
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臨床の現場では病態的に患者様を評価して、対応を迫られる状況が多くあります。
今この瞬間に患者様が急変した場合どのような対応を取るのか、その判断で今後の患者様の命を左右してしまうこともあります。
そこで今回は急変患者へのアセスメントをちょっとした事例を元に考える力を少しでも身に付けられるようになりましょう。
 

急変時のアセスメントの方法

今回の状態

80代 男性 日中ほぼ寝たきりで、活動は車椅子に介助下で移りトイレに行く程度
慢性心不全の急性増悪で入院されており、入院時には心拍数:130台、経鼻酸素を3L使用してSpO2:90%台前半でした。

二週間ほど利尿薬などを使用して現在は心拍数:90台、使っていた経鼻酸素もOffしてルームエアーでSpO2は90%台後半を維持しています。

普段の生活にこそ注意する。簡単なようで意識するのはとても難しい。

毎朝の業務は大変ですよね、看護師の仕事量は多いし検査出しやオペ出しなど沢山の業務に追われます。私はその日も患者様の血圧や体温などのバイタルサインを普段通りに記録していました。そして、ちょっと体温が高い時や血圧が高い時など、数字で見て分かる異常や患者様の訴えがある際にしか患者様をよく観察していませんでした。

しかし、そういった安定した日常の中で患者様の状態というのは急変するものです。毎朝の患者様の状態確認を終え、ナースコールで今回の症例である患者様に呼ばれた時のことです。トイレまで連れていってほしいと頼まれたので、車椅子を運んできて患者様を車椅子に乗せると、突然息苦しいと訴えられ胸を押さえ呼吸数も上昇し始めたのです。

PHSでドクターに連絡を取り、原因疾患から慢性心不全の悪化ではないかという考えから、利尿剤の投与を頼まれました。しかし、ドクターに言われた通り利尿剤を使用しても酸素化はよくなりません。

それどころか呼吸状態は徐々に悪化していきました。何が原因だったでしょうか。また、この状況で看護師が知っててドクターが知らなかったこととは何だったのでしょうか。

病態的なアセスメントと身体所見

急変に伴い行うことは、ベッドから離れていた場合は直ちにベッドに戻し患者様を背臥位にさせて安静、バイタルサイン測定、心電図モニターの装着、酸素モニターの装着、症状の訴え観察、意識レベルの観察、応援スタッフを呼ぶなどがあげられます。

その後バイタルサインを測定すると血圧:140/70台、体温:36.5、心拍数:120台、SpO2:82%になっていました。呼吸数も30回以上と非常に頻呼吸です。抹消にはチアノーゼが出現しました。酸素マスクにて5投与開始してSpO2:90台を維持できるようになりました。その時の患者様の訴えとしては体を起こしても横になっても変わらず息は苦しいとのこと、

特に浮腫などは無く喘鳴や血痰などは見られません。

患者を診るためのポイント。まずは患者情報から考える。

今回の患者の場合、慢性心不全の増悪で入院されています。そのため心機能の低下による心不全があるかもしれません。心不全の見つけるための身体所見をいくつか紹介します。

フィジカルアセスメント
  • 浮腫
  • 呼吸音(水泡音)
  • 頸静脈怒張
  • 起坐呼吸
  • 尿量減少

上記のような症状を毎日注意してみていくことが大切です。

今回の症例ではこのような症状は見られませんでした。では酸素が低下する時の病態を見ていきましょう。

  1. 心不全により肺に水が溜まった
  2. 痰詰まり
  3. 血栓が肺血管に詰まった

などが臨床で多くみる原因になりますが今回これらに当てはまる状態があるのか

まず①は心不全の身体所見がないため否定的ですね。

次は②の痰詰まりです。これは呼吸音を聴取すれば簡単に判別できますね。ゴロゴロ聞こえているかを確かめればそこまで難しくないと思います。そして今回の症例ではゴロゴロといった呼吸音は聞こえませんでした。

では最後の③です。血栓とは動かない時間が長い場合に起きることがあります。実は普通の日常生活を送っている私達でも朝起きた時には小さい血栓が下肢に出来ています。そして、今回の症例である患者様の活動量は日中トイレに行くだけでした。

つまりリスクは考えられますよね。なので血栓は可能性として残しておきましょう。

ドクター報告の重要性

今回は慢性心不全の増悪によるSpO2低下ではありませんでした。ドクターが正しい判断を行うためには、看護師の毎日のアセスメントが重要になることもあります。
今回の症例であれば、浮腫・呼吸音(水泡音)・頸静脈怒張・起坐呼吸・尿量減少などがみられない為、心不全兆候がないことを伝える必要があります。

また発症前後の状況説明が重要となります。

例えば、日中ほぼ寝たきりの患者様が車椅子に移った途端に呼吸状態が悪くなったことを伝える必要があります。この二つの情報があれば心不全の悪化ではなく、血栓が詰まったことによるSpO2の低下が可能性として考えられるため、利尿剤の投与ではなく検査を行ってから方針を決定すると思います。

血栓がある場合に利尿を行ってしまうとかえって呼吸状態の悪化を招くからです。

看護師は治療を行いませんが、ドクターの指示のもと命に関わるような仕事を多く担っています。そのためドクターの行っている治療について理解していなければ適切な業務を行うことは難しいです。ドクターが行っている治療とは基本的には病態と戦っています。だから看護師は病態を深く理解しなければなりません。

患者様が急変する状況はドクターよりも看護師のほうが圧倒的に多く遭遇します。急変した時の早期対応に必要なものは、動揺せず患者様をよく観察し正しい情報を多く仕入れることや具合的な状況説明を行うことが大切です。

看護師は普段からのアセスメントに力を入れ、報告を行うことでドクターが正しい判断を仰ぐ材料になります。ドクターもアセスメントエラーを起こしてしまうことがあります。今回の場合は患者様に対して心不全で利尿剤を使用することは悪化の恐れがあることが理解できます。ドクターに思い切って伝えてみることも必要であると思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか。普段のアセスメントが正しい治療への近道に繋がることも多いです。安定した日常業務にも患者様急変のリスクは存在します。急変時に正しい治療を行うために必要なことは近くにいる看護師が正しい知識と情報を持ち、そしてそれをドクターに報告することになります。常日頃から病態を考えて患者様と関わっていくことが重要です。

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