入院中、通院中、初診…どんな場面でも、気難しい患者さんはいますよね。そのような患者さんと接するにはどう対応したらベストなのか、実際に私が看護師として意識して行っていたコツをお伝えします。
気難しい患者さんへの対応のコツ&ポイント
情報収集の大切さ
これまでのカルテや家族からの情報を元に患者さんの性格を知ることはできます。事前に知っておくことができれば、自分も冷静に対応ができます。
しっかりと傾聴する
患者さんが今、何を主張しているのかを正しく把握するために、しっかりと傾聴することが大切になります。立ち話で話したりせず、個室や病床などでゆっくりと傾聴できる場所に移動することもコツだと思っています。患者さんの要望に答えられるように調整することができれば、患者さんの不満などのネガティブな言葉や主張を減らすことが出来ると思います。
一人で抱えない
気難しい患者さんの中には一方的に自分の意見を主張する方もいます。その際、新人であったり、外見が大人しそう。といった理由で強くでる方がいるのも事実です。
個室で対応している場合は、他のスタッフを呼ぶための退席はとても勇気がいると思います。しかし、そこは「Aさんのお気持ちはよく分かりました。ご要望に添えるかは分かりませんが、他のスタッフの意見も聞きたいので、一度退席してもよろしいですか?」と言ってみましょう。
それでも強気に出てくる患者さんには「ここは病院です。Aさんだけのために病院があり、医師や看護師がいるのではありません。他の患者の治療や処置をしなくてはいけないので、少しの間退席させて頂いてもよろしいですか?」と冷静に伝えましょう。
冷静に、時には厳しく
患者さんが興奮していたり、わがままなことを言った時に、私達も一緒になって怒ってしまっては状況が落ち着きませんし、大問題に発展することも考えられます。自分も冷静になって患者さんと接しましょう。愚痴などは心に留めてスタッフルームで同僚や先輩にじっくり聞いてもらうこともコツです。自分がストレスを溜めないという点でも需要なポイントですね。
また、わがままなことを仰る患者さんには、「ここは大部屋でも個室でも、他の皆さんも治療を受けるためにここに来られています。Aさんのお気持ちは分かりましたが、皆さん平等にというのがルールです。」とはっきりと伝えましょう。
同室者がいる場合は、看護師と患者さんが言い争う様子を見ると、他の患者さんは大方、様子を気にしてきます。すでに患者同士でコミニュケーションが生まれていたりすると、今後の患者自身のメンツということも考えるのでしょうか。「ここは病院ですよ、周りの方にも療養中です。」と伝えることも有効になる場合があります。
落ち着きを取り戻すと、「あの時はごめんなさい、みっともないことをしたね、言い過ぎたよ。」と患者さんから言葉が帰ってくることもありました。だからこそ、こちらが冷静にいることは大切だと身にしみて感じました。
こちらに非があれば謝る
あたりまえですが、こちらに非があった場合は丁寧に謝罪致しましょう。そして、患者さんの意見をしっかりと傾聴しましょう。それでも落ち着かない場合は、前述の通り他のスタッフに助けを求めましょう。
患者さんに対して苦手意識があることを分かっているのは大切なこと
この患者さん苦手だな…と思ってしまうのは自然なことです。しかし、プロの看護師として働く以上、提供する看護に私情を挟んでいてはいけません。「この人はこういう人だから、こう対応しよう!」と心に止めておき、接していきましょう。そして、苦手であることを他のスタッフに伝えて置くことも大変重要です。何かあった時に駆けつけてくれるかもしれません。どうしても、一人じゃ…という時は他のスタッフと看護提供する機会を多くしてもらうのも自分を守ることになります。
患者さんの立場になって考えてみる
ここまで病棟でのことを主に書いてきましたが、外来通院中の患者さんはどうでしょう?仕事や家事、他の予定を調整して通院していること、痛みがあるのに長時間待たなければならないことなど患者さんにとっては、大きく制限があり苦痛を伴いながら、ここに居ることを忘れないでください。寝たきりの患者さんじゃないから、まあ元気だろう。なんて思うのは絶対にいけません。そのような思いが少しでもあると、私語が多くなったり、患者さんの気持ちに寄り添った看護ができなくなります。
・スタッフとの情報共有
どのようなことがあり、どう対応したか、しっかりとカルテに残し、申し送りで伝えることが重要です。他のスタッフがそんなことがあったなんて知らなかった。となってしまっては、患者さんに対して失礼な事態が生じかねません。
・視点を変えて、経験談
私は現在、精神科の外来の看護師をしています。精神科は特に待ち時間が長いため、患者さんの時間的拘束がストレスになりやすいです。そのため私が心がけていることは、「お待たせして申し訳ありません。」と伝えること、落ち着きがない患者さんに対して、定期的に声掛けをしに行くことです。薬やアルコールの離脱症状で怒りやすい方が多いので、病院に来たくないと思い、通院が途絶えてしまうことが最も良くないことです。そのためも、お待たせしていることに対して一言声をかける。これを大切にしています。
また、反対に自分の意見を上手く伝えられない患者さんに対しては、患者さんに適した場所で情報収集を事前に行い、診察してもらうこともあります。(例えば、周りが気になって落ち着かない場合は、個室で。一対一では緊張してしまう場合は、ご家族に同室してもらったり、体調を聞くなど個人情報に触れない程度であれば、待合室で小さな声で問診することがあります。)
まとめ
いかがでしたでしょうか?
気難しい患者さん」と言っても一人の人間です。病気を抱える者です。相手を尊重した声掛け、配慮した問診や対応などが重要だと思っています。また、病院に来るだけでもストレスですし、入院となれば数々の制限も重なり更にストレスとなっているでしょう。患者さんの怒りやわがままに巻き込まれないように、冷静に対応していきましょう。
そして、やはり情報収集・共有は大切ですね。
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