退院支援が困難だった患者さんに対してのアセスメントはどうする?

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#619 2019/03/16UP
退院支援が困難だった患者さんに対してのアセスメントはどうする?
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整形外科は治療、リハビリが終わると元気に退院していく患者が多いです。しかしながら、家庭の事情でなかなか退院が進まない人もいるのです。そんな退院支援が困難だった患者の事例、アセスメント方法を紹介していきます。実際に自宅に訪問するなど、これまでにない深いかかわりができました。

 

退院支援のアセスメント方法

私は整形外科で約3年間勤務していました。その間にはさまざまな患者に接してきましたが、その中でも特に印象に残っている事例があります。整形外科というところは、事故やケガ、病気で入院してくる患者が多いですが、骨や筋肉、関節などの治療を行って、順調にリハビリが進んでいけば、元気に退院をしていく患者が多いのが特徴です。そのため看護師としても早期から、退院支援を開始しなくてはいけません。しかし実際には、すべての患者の退院支援がうまくいくわけではありません。そこで今回は、難しかったけれどみんなで協力して何とか退院することができたという事例をご紹介していきます。

患者の入院、けがの理由が特殊だった事例

ある日一人の高齢女性が入院してきました。その理由は、転倒して大腿骨を骨折したということ。入院をしてきたら、アナムネ聴取を行いますが、その転倒の理由を聞いて驚いたのは言うまでもありません。なぜなら、その理由を聞いて、これまでどんな生活をしていたかということを容易に想像できたからです。

その患者は転倒、骨折をして動けなくなって約1日後に発見されて救急搬送されました。なんと転んだ理由は、自宅の自分の荷物に躓いたということ。またその荷物が散乱していたため、自分で動くことができなかったので発見が遅れたというのがその理由です。この理由を聞いて、容易に患者の自宅を想像できる看護師もいるかもしれませんね。そうなんです。実は患者の自宅は、ごみ屋敷に近い状態だったのです。そのため、自分の荷物に躓いてしまったのです。

ごみ屋敷に住む人は精神的な基礎疾患がある?

このようなごみ屋敷に住み続ける人というのは、精神疾患のある人が少なくありません。

看護のアセスメントをするうえで、様々な聞き取りを行いますが、この患者に関しては、それほど精神的な問題は感じられませんでした。実際に受診歴もありませんでしたから。ただ問題となったのが、住んでいるところとその荷物の多さだったのです。

患者の自宅を訪問することはないけれど…

整形外科では、大体この手術を行うとこのような経過をたどり、いつぐらいに退院できるという目安がすぐにわかります。もちろん年齢や内科系の基礎疾患の有無、また家族の受け入れなどが大きく作用することもありますが、この患者に関しては、この家の問題を解決することが退院を左右するということを明らかにすることができました。

私たち病棟で看護師をしていると、退院に関する話し合いは何度も重ねることはありますが、実際に患者の自宅に行ってみるということはほとんどありません。しかしこの患者に関しては特例でした。それは看護アセスメント上で出てきた自宅の問題を解決するためです。

通常は、ケースワーカーの方や理学療法士の方が、外出許可が出た際に一緒に同行し、自宅の実調をすることがほとんど。もしも自宅の改修などがあれば、退院に向けてリフォームなどの手続きを始めます。この患者に関しては、外出も一度では終わらないだろう、またみんなで協力してごみ屋敷問題を解決しなくてはいけないだろうと予測することができました。そして実際に退院支援を始めてから、退院するまでに約5回の訪問で片づけを行い、退院に至ったのです。

他コメディカルと連携することによってわかったこと

看護師というのは看護師の目線で自宅の全貌を捉えます。生活をするのに不自由がないか、またまた転びそうなリスクはないのか?といったことが大きな視点になります。

しかし理学療法士というのは、コンセントの位置やスイッチの位置、トイレの高さやキッチンの流しの高さ、浴槽の高さなど細かい視点で見ていくのですね。

さらにケースワーカーは、介護保険を利用してどこまで改修ができるのか?またごみを片付ける際に必要な費用はいくらになるのか?といったサービスや手続きに関することに主にかかわります。それぞれのコメディカルスタッフが同時にかかわることによって、それぞれの視点で問題を抽出し、さらに解決に向けて話合うことができる、そんなかかわりをすることができたので、みんなで自宅を訪問することはとても意義があったと思います。

また患者もたくさんの人がかかわることによって、自分の退院に向けてみんなが努力をしてくれている、またこの転倒をきっかけにごみをどうにかしなければという思いに駆られたのでしょう。家族は疎遠でしかも遠方にいたため、かかわることはできませんでしたが、一人で何とかしなければ…という思いで一緒に退院に向けて進んでいくことがいました。

環境を整えてから退院へ

この患者の看護アセスメントから導き出された退院支援の目標は、再び転倒することなく、安心して過ごせる環境を作るということでした。実際にもう退院できるという状態になってから、自宅の準備が整うまでには約2か月の期間がかかりました。その間リハビリもしっかりできたので、患者の安心感や自信にもつながったのではないでしょうか。また定期的に外出をして自宅を片付けることによって、退院後の生活がイメージすることができたようです。

こうして、患者は無事に退院を迎えることができました。これまでのこのように自宅を訪問したり、深いかかわりをする患者はいませんでした。しかし実際に看護を展開してみると、やはり自宅訪問は必要不可欠なことでしたし、このようにみんながかかわることによって退院支援をすることができたと実感しています。

まとめ

いかがでしたか?患者にはさまざまなバックグラウンドがあるため、退院支援も個別性を重視して行う必要があります。看護師として専門的な知識と技術を使って患者のケアをすると同時に、他のコメディカルスタッフと連携をして、みんなで患者の支援をしていくことが重要であると感じました。またそうする必要も今後増えていくのでは?と強く感じています。

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