アセスメントのポイント「主観も大切だが、数字で客観的に判断することも重要」

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#617 2019/03/14UP
アセスメントのポイント「主観も大切だが、数字で客観的に判断することも重要」
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看護師として患者とコミュニケーションを図り、訴えを聞くことは重要です。しかし患者の主観で話をされると、看護師としてはどうなのか?と感じることさえあります。特に痛みに関することは…。そこで今回は、痛みに関するアセスメントのコツをご紹介します。

 

痛みのアセスメントの重要性とポイント

痛みというのは、個人差があります。痛みに強い人もいれば痛みに弱い人だっています。また同じような痛みであっても、我慢できる人と我慢できないほどの人もいます。

痛みというのは、患者にとって苦痛以外の何物でもありません。痛みのコントロールがつけば、少しでも自分らしい生活をすることができるのではないでしょうか。また痛みにとらわれず、いろいろなことを考えることもできるようになるでしょう。さらに痛みはその患者の余命にも影響することもあるのです。そのため痛みに関するアセスメント、看護はとても重要です。

しかし痛みの訴え方は患者によって全く異なるので、訴えを聞くだけでは判断できないこともあります。そこで利用したいのが、痛みを数値化したようなもの、客観的に判断できるようなものなのです。

痛みを客観的に判断するメリット

痛い、痛いといわれても、どこがどのように、どの程度痛いのかわかりません。看護記録には、患者の訴え、言動をそのまま記録することもできますが、それをアセスメントすることがとても難しいです。そこでよく用いられるのが痛みのスケールです。痛みのない状態を0として、最高の痛みを100としたときの痛みの程度を示してもらう方法や、フェイススケールといったものもあります。これらを使用することによって、患者さんのはっきりしない主観的な痛みを数値化して教えてもらうのです。

このように主観的な訴えは、看護師のとらえ方によっても全くアセスメントが異なります。そこでこのような数値化できるスケールを使用することによって共通した認識で痛みを判断することができるのです。

痛みにばらつきがある場合はどうするか?

痛みがあるという状態がずっと続く人もいれば、朝は痛みが楽だけれど夜になると痛みが強くなるという人もいます。また座っていると痛みが楽だけれど、横になると痛みがつらいという場合もあります。このような時には、どのように表現してもらうといいのでしょうか。看護師が患者に接したその時の痛みだけを聞き取りしても、痛みの判断はできないのです。

そのようなときに便利なのが、痛みを記録した痛み日記をつけてもらうことです。もちろん認知症や高齢者で自分で記録できない人は少し難しいです。その場合は、家族にお願いしてもいいのではないでしょうか。

痛み日記というのは、痛みのある時間、体勢、その時に摂取した薬などを記録することのできる日記です。余白には自由に書き込むこともできるので、痛みに伴って出ている自分の症状も記録することができます。

また常に看護師がそばにいるわけではありませんね。そのようなときにこの痛み日記を記録していると、医師や看護師のいない間の痛みを伝えることが可能になるのです。

痛み日記をつけることで、自分の痛みのパターンを知ることができる

これまでは聞き取りをすれば、ただ痛い、つらいと表現していた患者でも、痛み日記をつけることにより、大体いつもこのような時間帯に痛みが来るようだ、また薬を飲むとどのくらいで聞いてくるのか分かったと、痛みについて客観的に考えることができるようになります。そのため痛みが出そうだなと思うときには、その前に薬を使用しておくなど、早めの対処ができるのですね。

また看護師も時系列に記録された痛み日記を見ることによって、患者の行動パターンや痛みの出現パターンなどを知ることができます。そして痛みが強いとき、弱い時にはどのように対処するべきかということをアドバイスすることができるのです。

痛み日記をつけるというのは、単に痛みの記録のためだけではありません。自分自身で痛みと上手に付き合うための一つの手段でもあるのです。

痛みのアセスメントをする重要性

痛みというのは、患者の苦痛になることです。特に基礎疾患がありそこからくる痛みであれば、通常は基礎疾患を治療することで対処できることもあります。しかしながら、がんの末期の場合などは、基礎疾患の治療ができないことも。その場合は、痛みをとることでしか治療をすることができないこともあるのです。

痛みがあるというのは、患者の意欲減退、行動制限、また不安や恐怖の出現につながります。もしもやり残したことがあるという場合でも、痛みがある場合は、近い将来のことも全く考えられないでしょう。そのため少しでも痛みを軽減させることのできるアセスメントとケアをすることが重要です。

共通した認識をもって、スケールを用いて痛みを判断することで、患者をサポートする医師、看護師、他コメディカルスタッフ、家族などとも情報をより詳しく共有することができるはずです。そして患者の痛みの軽減のために何らかの方法を考えるはずです。

痛みをアセスメントするということは、患者の生活の質を向上させる大きなポイントになるのです。

看護師として痛みをどのようにとらえるのか?

意識レベルや痛みに対する認識がしっかりしている人は、痛み日記をつけるなどの方法により痛みを訴えることができますが、認知症などがある人はどうでしょう。自分の痛みを上手に表現することはできません。また痛みにむらがあることも多いのではないでしょうか。

しかし痛みがあるという以上、看護師としてはそれを受け止めてアセスメントすることが大切です。表情や動作を見て痛くなさそうであっても、痛いというのは、痛みに対する不安があるのかな?また痛みではなくほかのことを痛いと表現しているのかな?と深く読み取ることが大切です。

看護師は24時間患者のケアをしているからこそ、いつもと異なる患者の言動などを知ることができるはずです。単に痛いという表現にとらわれるだけではなく、痛みの背景にあるものを読み取ってアセスメントすることが重要です。

まとめ

いかがでしたか?痛みというのは主観的な表現で訴えられることが多く、看護師もアセスメントしにくいものの一つです。しかし患者に痛みスケールを使用してもらい客観的な数字で痛みを捉えること、また患者の様子を見て総合的な判断をすることが重要です。痛みというのは、患者の生活の質にもつながる重要なこと。そのためアセスメントをして看護展開していくことが重要です。

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