看護師の働く場所は病棟だけではありません。在宅に訪問する訪問看護師という仕事もあります。今回私が実際に訪問看護師をして感じたこと、病棟看護師とは違う点をご紹介していきたいと思います。
子育てと看護の両立
子育てってしてみなければ分からないことがたくさんあります。その1つが、子どもが幼稚園や学校に入った時に始まるPTA活動です。私は仕事をするうえで、看護師としての仕事をきちんとこなしながら、子どもの生活リズムを整え成長を見守るという子育てが基本になると思っていました。しかし子どもの成長と共に学校でのPTA活動が増えることに驚きました。もちろん参観日や発表会などがあることはわかっていましたが、それ以外にも学校行事に参加しなければいけないことがたくさんあるのです。
実際に子どもの学校生活を見ていると、私が病棟看護師をしていたら、ここまで参加で来ただろうかと思うことがたくさんあります。しかし私は訪問看護師。そのため学校行事やPTA活動にも積極的にかかわれたのではないかと思っています。そんな訪問看護師についてご紹介していきます。
面接では子育てとの両立ができるとアピール
私が転職をする時には、看護師の求人募集を見て応募し、病棟看護師か訪問看護師かということには特にこだわっていませんでした。しかし面接を受けた病院は、外来、病棟、透析、健診、また訪問看護ステーションがあったのです。
この面接をする時、働くならどこの部門がいいのか?ということを質問されました。これまでの臨床経験は、病棟看護師のみ。そのためもちろん求人募集の中にもあった病棟看護師が良いと答えたのです。
しかし面接のときにその場で協議があり、病棟看護師よりも訪問看護師の方がいいのでは?と勧められたのです。その理由は以下にありました。
- 子どもがまだ小さい
- 学校の行事に参加しなくてはいけないなら、病棟看護師は難しい
という二つの点でした。
看護師ができるなら、どこの部門でいいという思いで転職を決意
自分の予想に反して訪問看護師を勧められましたが、特にこだわりはなかったので転職を決めました。私の中では、看護師として復職したい、自宅から近くで子育てをしながら勤務できるところが良いという点が重要だったからです。
しかし実際に訪問看護師になってからは、あの時病棟看護師を選ばなくてよかった…、訪問看護師をすすめられてよかったと本当に思っています。なぜなら、病棟看護師というのは、子育てと仕事を両立するだけならまだしも、学校行事に参加するといったことがとても難しいと感じたからです。
病棟看護師と訪問看護師の違い
子育てをしながら働く病棟看護師と訪問看護師の違いをご紹介します。
私の勤務する病院では、子どもが小さい間は時短勤務制度や夜勤免除制度があります。それを利用して病棟看護師を続けている人もいます。しかしその制度が利用できるのもせいぜい子どもが3歳になるまで。それを過ぎると、通常通り、残業もしなくてはいけません。また夜勤などもしなくてはいけない状況になることもあるのです。
それに比べて訪問看護師は、基本的に日勤のみです。夜間は緊急時対応のために自宅で待機して出動することもありますが、それも負担にならない程度。そのため子育てをしながら仕事も続けられる環境にあるといえます。実際に勤務しているのは子育て中の看護師が多いですから。
また病棟看護師は一度出勤したら、その間働きっぱなし。その間に1時間や2時間といった時間休をとることは簡単ではありません。各部屋の受け持ち部屋になったり処置や点滴といったものに追われるので、各自の担当がしっかりと決まっているからです。
訪問看護師もその日の受け持ち利用者が決まっていますが、調整をすれば時間休をとることも可能です。訪問看護では在宅利用者の家に行く日時が決まっています。またその訪問も30分未満か1時間未満ということがほとんど。そのため訪問ルートを調整すれば、時間を空けることも可能なのです。
つまり訪問看護師は、上司の理解と仕事の調整ができたら、学校行事に参加したりすることも可能なのです。
訪問看護師になってよかったと思うこと
私の子どもは現在小学生と幼稚園です。小学生になると学校の役員、朝の旗振り当番などさまざまなことをしなくてはいけません。もちろん仕事を理由にやらない人もいます。しかし田舎の生活で一人断ってやらないというのは、おそらく反感を買うでしょう。誰でも仕事をしながらやっているんだと意見も出てくるはずです。また協力してこそ人とのつながりが強化できるのでは?と考えているので、私は学校の行事に積極的に参加するべきなのかなと考えています。
幼稚園に関しては、あくまでボランティアで行っていることも多いのですが、行事前の掃除やイベントのお手伝いなど借り出されることが少なくありません。そのため時間調整をして短時間でも協力できるように心がけています。
もしかすると看護師という忙しい仕事をしながら、なんでそんなことまで?できる人に任せたらいいのでは?と言われる人もいるかもしれませんね。しかしながら、私は実際に学校の行事に参加して良かったなあと思うことがたくさんあります。
それは先生やほかの保護者とのつながりができたということ。私はもともと転勤族でこの地に来たので、地域のことや人間関係が全く分かりません。しかし学校行事に参加することで、少しずつわかるようになってきたのです。また人とのつながりができることで生活も楽しくなってきたことは事実です。
訪問看護師になったからといって、みんながみんな学校行事やPTA活動に参加できるわけではないと思います。それには上司の理解が必要ですから。しかし病棟看護師よりは、融通をきかせて参加できるチャンスをえることは多いのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。私が訪問看護師を始めてよかったなと思ったメリットをご紹介しました。病棟で働くことと在宅に入って看護を提供することには、子育てや私生活にも影響するような大きな違いがあります。是非病棟看護師と訪問看護師に迷っている人は参考にしてみてください。
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