看護師を目指すみなさんの大多数は、国家試験の前に働きたい病院の面接を受けて、就職先を決めると思います。しかし、たくさん病院の募集があるし、どのような基準で病院を選ぼうかと悩んでしまいますよね。また、転職を考えている看護師の方も、長く働ける病院はどこかお悩みではないでしょうか。そこで、今回は就職先を決めるポイントをお伝えしていきます。
就職先の選び方は「看護を考え、どんな働き方をしたいか?」に始まる
第一に、どんな働き方を自分自身がしたいかということが大切になってきます。
○○科に行って働きたい!という情熱も大切ですが、それ以上に自分がどうしたら充実した働き方ができるかということも重要です。たとえば急性期でバリバリ働いて休日も勉強や研究などに打ち込みたい、という人もいれば、ゆったりとした病院でプライベートでの時間を大切にしたい、という人もいますよね。そしてその自分がしたい働き方で、本当に長く充実して働くことができるのか、よく考えてみてください。転職活動中の方は、今までの働き方を振り返ってみることも大切です。
急性期病院か、慢性期病院か
病院は大きく2つに分けられて、急性期病院と慢性期病院に分けられます。急性期病院はその名のとおり、緊急な状態にある患者が入院する病院です。慢性期病院は、病状の安定している長期入院する患者が入院しています。
急性期病院は、治療や手術などさかんに行われており、バタバタと忙しい病院になります。ただ、様々な知識が必要になるため勉強になったり、時間が限られた中で効率よく動くコツが身に付いたりと、看護師として成長できる面があります。
慢性期病院は、ルーチンワークが多く、急変や緊急での治療をすることが少ないため、比較的ゆったりと落ち着いて働くことができます。しかしその反面、急性期病院よりは、知識や技術は劣ってしまう部分もあります。もちろん患者と向き合う時間が増え、看護師としての質の向上はできると考えられます。
まず急性期病院か、慢性期病院かを決めて、就職先を考えていきましょう。
2交代制か、3交代制か
病棟に勤務することになることがほとんどだと思いますが、そうするといずれ夜勤をすることになります。
そこで、勤務体制として、2交代制と3交代制があります。2交代制の夜勤は、大体は夕方に出勤し、仮眠をとり、朝まで働くという形です。
3交代制の夜勤は準夜勤と深夜勤があり、準夜勤は夕方から深夜、深夜勤は深夜から朝までの勤務となります。
2交代制のメリットは1回の夜勤をすると、次の日が「明け」となり、まるまる1日分休みになるということです。つまり、休みの数が体感として多くなります。デメリットは長時間勤務であるので、疲労がたまりやすく、勤務中のミスなどにもつながることです。
3交代制のメリットは夜勤でも勤務時間が短く、疲労感は日勤とさほど変わらないという点です。デメリットは2交代制よりも不規則になりやすいこと、夜中に外出することが挙げられます。
同じ夜勤でも、勤務時間や働き方が大きく異なります。どちらが自分に合うのか、考えて決めることが必要です。
どのような新人教育制度をとっているか
気になる病院が見つかったら、新人教育についても調べましょう。
「プリセプター制度」という、先輩が新人看護師をマンツーマンで指導する制度をとっている病院も数多くあります。また、新人研修をしっかりと組んでくれているか。きちんと決められた新人教育制度を設けていない病院だと、いきなり不慣れなまま現場に投げ出されてしまう可能性もあります。
病院見学の際に教えてくれるところやホームページに掲載されている病院もありますので、必ずチェックしてみてください。
給与・福利厚生はどのようなものか
働くうえでのモチベーション維持のために必要なものの一つが、給与です。これが不満となると、働く意欲はどんどん削がれていきます。逆に満足していると、長く働こう、良い働きをしようと思えるのでモチベーションがぐっと上がっていきます。
基本給・資格手当・夜勤手当はいくらなのか。また、ボーナスは何ヶ月分か。しっかりと募集中のいろいろな病院と比べてみましょう。傾向としては、急性期で忙しい病院は給与が高めで、慢性期でゆったりした病院ほど給与は低めだと考えられます。また、ナース服は支給なのか、自前なのかということや、交通費は出るのかといった細かい条件も調べられるとベストですね。ちなみにボーナスは「基本給」の○ヶ月分となるので、基本給を知ることはとても大切です。
病院・病棟の雰囲気
ここまで様々な条件を上げていきましたが、働いていくうえで最も大切なのは「人間関係」ではないでしょうか。人間関係が悪いとそこで長く働きたい気持ちが薄れてしまいますよね。看護師は転職がしやすく、不満があればすぐに辞めてしまうため、人間関係が良くない職場では、人がどんどん入れ替わってしまうようです。そうなると、仕事自体も慣れない人が増えて、質が低下してしまいます。
しかし、人間関係は、労働条件のように提示できるものではなく、実際に勤務してみないと実態はつかめないものです。その病院で働く知人などに聞いてみるということも手ですが、そのような口コミは一部分のもの。
そこで、実際に病院を見学して雰囲気をつかんでみることをオススメします。1番は、実習で行ってみることができればベストなのですが、見学をするだけでも働いている人の表情やナースステーションでの看護師同士のやりとりなどを見ることができますので、それだけでもかなり参考になると考えられます。実際、条件は良かったのに、働いている看護師の顔が辛そうだから、この病院はやめておこう、ということもあります。気になる病院があれば、必ず見学をしてみることをオススメします。また、常に募集をかけている病院も、人間関係が悪く人手不足という可能性もあるので、要注意です。
まとめ
さて、今回は就職先を決めるポイントを説明させていただきました。みなさまの就職活動・転職活動の参考にしてみてはいかかでしょうか?
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