私の看護師歴は約15年になります。その15年を振り返ってみると、明らかにセクハラだったと怒りがわいてくる出来事もあります。反対に今思うとあれはセクハラだったのかなあと微妙なものもあります。そんな事例をふまえて、看護師のセクハラについて考えていきたいと思います。病院を選ぶ時にも、看護師に対するセクハラ対策を設けているかどうかはとても重要なチェックポイントです。
実際にあったセクハラ事例1:処置室に入ると患者が全裸だった!
これは私がまだ看護師3年目の出来事です。腰に湿布を貼って欲しいと、患者が湿布を持ってナースステーションにやってきました。私はそのまま隣の処置室で貼るので、そこで待つように伝えたのです。それから数分後、私が処置室に入るとその男性患者は全裸で私の方を見て立っていました。
私はその姿に衝撃を受け、すぐに部屋を出ました。そしてドア越しに「すぐに服を着てそのままお待ちください」と伝えました。ナースステーションに戻ると、そこには師長と若手の医師が…。報告をすると、その患者のもとに男性医師が行ってくれました。医師が行ったときも全裸だったそうですが、股間を隠し後ろ向きになって、そのまま腰に湿布を貼ってもらったということ。その後医師から厳重注意されたということでした。その全裸のまま。
私はこの時衝撃のあまり、すぐに感情的に報告をするに至ったのですが、実は以前にも同じような出来事に遭遇していたことがある看護師がいることがわかりました。全裸になるという行動以外は、看護師に被害はなかったのですし、その患者のセクハラ行動はそれ以降なくなりました。この時私が強く感じたのは、セクハラ行為のすぐ後だったので、感情的に報告をしてしまったけれど、やはり報告は早い方がいいということを身を持って感じました。事実関係を明らかにするためにも、セクハラがあった時にはとりあえず現場を押さえるということが大切だと思いました。
実際にあったセクハラ事例2:白衣のワンピースのすそを掴んだ60代男性
私が転職した病院は、白衣のワンピース、ピンクのワンピース、そしてパンツタイプの3つのユニフォームから選ぶことが出来ました。私はその可愛さからピンクのワンピースをよく着用することがあったのですが、ある時60代男性の患者の部屋をラウンドした際、そのユニフォームのすそを掴まれたのです。それも上に持ち上げるように。
その男性は、少しその言葉や看護師の態度から要注意とされている患者でした。看護師に対してやけになれなれしい会話をしたり、少し卑猥な会話を投げかけてくることもありました。
その日は、その患者は点滴のためにベットに横になっていました。私はその滴下速度を合わせるために訪室しました。点滴台の方に体を向けていると、臥床している患者の目線はユニフォームのすそあたりにちょうどいったのでしょう。そして私のユニフォームのすそを掴んで、「もう少し短くしたらかわいいのに…、ほらこの膝の裏が見えるくらい…」と一言。
私はその発言を聞き、すそを患者の手から離し、すぐに退室しました。その患者はユニフォームの中は覗き込んではいませんでしたが、その手はしっかりとつかんでいたので、なんだかとても気分が悪かったです。その後、私は主任に報告しました。もともと要注意とされている患者ですし、医師からは次にやったら、退院とくぎを刺されたことはいうまでもありません。
その当時勤務していた病院は総合病院。そのため患者からのセクハラやモラハラに対応してくれる窓口もあったので、主任からの指摘を受けて、すぐに報告書を書きました。もしも何らかのことがあってもこのように対応してくれる窓口があると安心です。また同じような目に合わないように看護師としても危険患者の情報を共有できますし、注意深く接することが出来るので、このような病院の体制って大切だなと身を持って感じました。
実際にセクハラにあったら?
看護師も結構性格的におおらかな人も少なくありません。また普段から患者の身体ケアをしているので患者のどんな性的な発言に対しても切り返していく人もいます。そんな会話も笑い話としてナースステーションできくこともあります。
しかし看護師にもいろいろな性格の人がいます。また就職したばかりの新人看護師は、セクハラ発言や行為によって看護師という仕事に自信をなくし、いやになってしまうことだってあるのです。そのためどんな会話であれ、その人がどんな気持ちになったかということは考えておかなくてはいけないことだと思います。
私たち看護師は、病院、病棟という閉鎖された環境にいる患者は、治療が必要で入院しているわけですし、性的なことなんて考えている余裕はないのでは?と思いがちです。しかし患者もそれぞれ年齢も違います。特に整形外科など、骨や筋肉には異常があり入院を余儀なくされているけれど、実は若いし、頭も体も元気で性的なことだって十分に考えているということを理解しておかなくてはいけません。
実際にセクハラにあうということは、「病院に限って?ないでしょ…」と考えている看護師もいるかもしれません。しかし、いつ被害に遭うかわかりません。セクハラ発言によって精神的な被害にあうということも十分考えられるのです。そのためには、自分の働く病院には、どのような対策があるのか?誰に報告をするべきなのか知っておく必要があります。
まとめ
いかがでしたか?私が体験したセクハラ事例を通して、病院にもセクハラに対応する体制が整っているところがいいことをご紹介しました。是非、病院選びの際には参考にしてみてください。
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